北極の氷の過去と現在

地球温暖化の影響の1つとして代表的なのが、北極の氷や、山岳氷河の減少です。
今回、上映された「北極のナヌー」の主人公であるホッキョクグマは、北極の氷の上で生活しています。
氷がなくなってしまうとホッキョクグマは寝る場所がなくなったり、えさをとることもできなくなって死んでしまいます。

地球温暖化によって氷が減少し続け、観測史上最小を2012年に記録しました。

以下の画像は衛星から解析した北極の氷の様子です。

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1980年代9月の最小時期の平均分布     2012年9月16日   (画像:JAXA)

北極の氷の面積は、季節によって変動しますが、例年9月が最小になります。
1980年代9月の平均的な氷の表面積と比べると、2012年は約半分の面積まで氷が縮小しています。
また、表面積だけでなく、氷の厚さも薄くなっています。
一年氷という平べったく薄くて割れやすい氷になり、気温の影響による表面積の変化が起こりやすくなります。
日本では近年、集中豪雨が多発するようになっています。
今年の夏も、四国、京都、広島など、記録的な大雨になりました。

一方で、アメリカのカリフォルニア州では記録的な大干ばつとなっています。
http://www.huffingtonpost.jp/2014/08/01/california-drought-record-dry_n_5643496.html

地球温暖化は、気候変動とも呼ばれており、気温や降水量がこれまでとは変わってきてしまい、それに、植物や動物が適応できず生きていけなくなります。
ホッキョクグマだけでなく、様々な生き物に影響が出てきてしまうのが地球温暖化、気候変動です。

気温や降水量の変化、生物の絶滅などは、放って置くと最終的に人間も生きられない環境になります。

空気を温める機能を持つ二酸化炭素などの温室効果ガスが増加したことが原因と一つと考えられています。
他の自然現象による影響も考えられますが、私達人間としてできることは、できる限り行っていくことが大切です。

もし今の段階で、地球温暖化は自然現象によるものと決め付けてしまって、何も対策をとらなかった場合、後年になってから、二酸化炭素などの温室効果ガスが原因だったとわかっても、すでに手遅れになってしまいます。

私達人間は、風邪を引くと、せきやくしゃみをしたり、熱が出て、体調が悪くなりますね。
それと同じように、地球も調子が崩れて、色々な変化が出ています。

これまでよく言われていた表現で、できることから始めようというのが一般的でしたが、

すでに進行している地球温暖化現象は、できることから始めるだけでは
現実問題として対策が間に合わない可能性があります。
海外ではバックキャストという、目標を立てて、そこにたどり着く為にはどこを
どう改善していけばいいかという逆算の方式で対策を立てています。
これは、夏休みの宿題を例として考えると、わかりやすいと思います。
しっかり予定を立てて、毎日決められた時間を少しずつ行うのと、
全く予定を立てずに、気が向いたときにできる範囲で行うというのでは、
最終日にどちらが慌てるかは、すでに皆さん経験済みで
よくご存知だと思います。
地球温暖化防止ということで見た場合、
できることから行うというのは、最終目標にたどり着かない、
場合によってはほとんど効果がないということもありえます。
例えば、レジ袋は貰わないけれども、買い物は自動車で移動している
とすると、レジ袋削減による温室効果ガス削減と、1トンの乗用車を動かす為に
発生する温室効果ガスを比べれば、どちらの対策を重視したほうがいいかは明らかです。
また別の例で言うと、最近ではリニア新幹線建設の話題が出ていますが、
超伝導磁器浮上方式で時速500kmという高速移動を実現させる為に、
原発3~5基分の電力が必要といわれており、
その電力を原子力、もしくは火力でまかなおうとすれば、
省エネとは全く逆の方向となります。
できることから始めようという考え方では、温暖化対策の優先順位が
他の経済、利便性などに比べて弱くなりがちです。
(リニアの場合は、経済性、利便性ともに大きな疑問が残っています。
詳しくは、リニア新幹線 巨大プロジェクトの「真実」  橋山 禮治郎 著を参照)
温室効果ガスがどこから多く発生しているのかを見極め、
重点的に対策を取る必要があります。
夏休みの宿題が終わらなければ先生や親に怒られて終わりですが、
地球温暖化は、止められなければ生き物が生きていけない環境に変化して
後戻りできなくなることを意味します。
地球温暖化、気候変動を防ぐために世界の国々が集まって毎年11月~12月頃
に話し合いを行っています。
それが気候変動枠組条約第~回締約国会議(通称COP~)です。
(2014年は20回目なのでCOP20)。
来年開催されるCOP21は、2020年以降の新たな枠組みを決める
とても重要な会議となっており、その前段階として今回のCOP20で
世界各国が目標値の草案を提出していますが、日本はまだそれができていません。
できることから始めようという時期はすでに過ぎて、世界は次の段階に
きています。
日本も他国に負けないよう、バックキャストの考え方を持ち
しっかり目標を立てて、国民全体と共に温暖化対策に取り組んでいく必要があります。
以上

戸田市環境審議会委員
遠藤孝一

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